ジャイロボール


いわゆるジャイロ回転のボールになります。
他のスポーツを使っての例えとなりますが、ラグビーのスクリューパスなどがジャイロ回転をしています。
具体的な回転は投手または捕手から見て図1の様になります。(図は右回りですが、左回りでも)
このジャイロ回転は進行方向に対して回転していても縫い目が変わらない為、縫い目の位置によってストレートよりも空気抵抗を減らしたり(フォーシームやツーシーム)、逆にストレートより大きい空気抵抗を持たせたり出来ます(ワンシーム)。
また、ジャイロ回転はその回転軸にずれがなければ非常に直進性(真っ直ぐ進む)が高いという特徴も持っています。
しかし野球のボールで純粋なジャイロ回転を投げるのは難しく、スライダー回転やシュート回転などを含んだ場合はそれぞれの方向へ軸のずれの分だけ変化します。
ジャイロボールの種類と軌道


フォーシームジャイロボールは図2の様な回転、ツーシームジャイロボールは図3の様な縫い目で回転をしているものを指します。
純粋なジャイロ回転をしたフォーシームジャイロボールはストレートより空気抵抗が少なく、あらゆる球種の中でも一番球速が落ち難い特徴を持っています。
ツーシームジャイロボールはフォーシームジャイロボールよりも空気抵抗が大きく、ストレートと同程度になります。
ジャイロ回転はストレートと違いマグヌス効果による上方向への揚力がないので、重力による自然落下をします。
なのでフォーシームジャイロボールはフォークボールなどよりも伸びのある(減速しない)沈む球となり、ツーシームジャイロボールはある程度の減速し難さを持ちながらフォーシームジャイロボールより減速する分だけ更に沈む球種となります。
同じ落下系変化球であるフォークボールが空気抵抗を増やすことで大きく減速しながら大きく落下させる変化球なのに対し、ジャイロボールは空気抵抗を減らすことで減速を避けながら落下させるという異なる特徴をもった変化球となります。
ジャイロボールとその他球種の比較
球種 | 減速 | 変化(左右) | 変化(落下) |
フォーシームジャイロボール | 小 | 無 | 中 |
ツーシームジャイロボール | 中 | 無 | 中 |
ストレート | 中 | ほぼ無 | ほぼ無 |
ジャイロフォーク | 大 | 無 | 大 |
フォーク | 大 | 小 | 大 |