ストレート系 ストレート(直球)とはファストボールとも呼ばれるピッチングの基本となる球種。 変化させるものでは、ツーシーム・ファストボールやワンシーム・ファストボールといったバットの芯を外す軌道の球種が主になります。 ストレート ピッチング、ひいては野球の基本となる球種。 別名フォーシーム・ファストボール。 もっとも速い球種で、変化もほとんどしない。 人差指と中指をしっかり縫い目にかけ、リリース時に指先で押し出すことで強いスピンのかかった伸びのあるストレートになる。 ▽ストレートの投げ方・握り方 ツーシーム・ファストボール 打者の手前でほんの少し変化させることでバットの芯を外すことを目的としたファストボール。 ほぼほぼ日本で言うところのシュートボール。 ストレートとほとんど変わらない球速で利き手側に小さく曲がる。 2本の縫い目が近づく付近に指をかけ、ストレートと同じようにリリースします。 リリース時にほんの少し手首を外側に向けることで変化が大きくなりますが、打者に見切られやすくなるかもしれません。 ▽ツーシーム・ファストボールの投げ方・握り方 ワンシーム・ファストボール 打者の手前でほんの少し変化させることでバットの芯を外すことを目的としたファストボール。 ツーシーム・ファストボールとほぼ同じですが、ツーシーム・ファストボールよりも縦の変化が大きくなる傾向があります。 人差指と中指で一本の縫い目を挟むようにして握ります。 オーバースローよりもスリークォーターなどの腕が低い位置からリリースすると変化が大きくなります。 ▽ワンシーム・ファストボールの投げ方・握り方 シンキング・ファストボール 利き手側に曲がりながら沈むファストボール。 速球と呼べるだけの球速からシンカーのように沈むためパワーシンカーと呼ばれたり、日本では高速シンカーと呼ばれることもあります。 人差し指を軸にリリースすることで変化量が増えます。 シンカーと同じようにスリークォーターやサイドスローに近い腕の位置からのリリースの方が変化しやすいでしょう。 ▽シンキング・ファストボールの投げ方・握り方
カーブ系 変化球の基本ともいえる球種。 バックスピンをかけずに抜いて投げることで強い回転と遅い球速を両立させ、その結果得られる緩急と大きな変化がカーブの特徴です。 カーブ 遅い球速と山なりの軌道で打者のタイミングと目線を外す球種。 中指を縫い目に沿って置き、人差指を揃えて握ります。 その揃えた指2本でボールの外側を擦るように抜いてリリースします。 ▽カーブの投げ方・握り方 ドロップカーブ(縦カーブ) カーブの中でも縦の変化が大きいものをドロップカーブ、または縦カーブと呼びます。 一度高めに放られた後、トップスピンにより急激に落下します。 通常のカーブよりも手首を内側に寝かせてリリースすることでトップスピン成分を強くします。 上から投げ下ろすオーバースローと相性がいいでしょう。 ▽ドロップカーブ(縦カーブ)の投げ方・握り方 ナックルカーブ ナックルボールの様に指を立てることからナックルカーブと呼ばれます。 特別な変化をするわけではなく、この握りにすることでリリースしやすくなるということから、握り方の名前とも言えます。 ナックルボールとは違い、不規則に変化するわけではありません。 握る際の人差し指は写真の様に爪を寝かせるものと爪を立てるものがあります。 ▽ナックルカーブの投げ方・握り方 宜野座カーブ 宜野座高校で生み出されたことから宜野座カーブと呼ばれる球種。 縦カーブの一種で、リリース時に強く腕を捻ることで強烈なスピンをかけるものです。 手の甲が捕手から見えるほどに内側に捻った状態から勢いを付けて外側に手首を捻ってリリースします。 これ以上ないくらい腕を捻って投げるので、怪我の危険も考えられるので習得には注意が必要です。 ▽宜野座カーブの投げ方・握り方
スライダー系 もっとも使用者が多いだろう球種。 決め球としてもカウント球としても利用できる万能変化球。 利き手と反対側に曲がる他、縦方向の変化を大きく含むものも。 スライダー 横方向へ鋭く変化する変化球。 右投手対右打者、あるいはその逆ではバットから逃げるようにスライドするため、空振りを狙える決め球になります。 中指が縫い目にかかるように握り、その中指に力を入れてリリースします。 ▽スライダーの投げ方・握り方 縦スライダー ジャイロ回転を含むことでスライダーの中でも縦の変化を大きくした球種。 同じ縦変化の強い球種であるフォークボールと違い、こちらは急激な減速を伴わないという特徴があります。 中指の外側を縫い目にかけ、手首を寝かせた状態から縦に振ってリリースします。 ▽縦スライダーの投げ方・握り方 スラーブ スライダーとカーブの中間の変化をするボールがこう呼ばれます。 スライダーよりも変化が大きく、カーブよりも球速がある球種。 悪く言うとカーブほどタイミングを外せるわけでもなく、スライダーほど鋭い変化をするわけでもない球種。 リリースの際に手首の角度をずらしてやや抜いて投げることにより、スライダーからカーブに近づきます。 ▽スラーブの投げ方・握り方 カットボール 正式にはカット・ファストボールというファストボールの一種。 スライダーよりも変化を小さくした分、球速を上げたもの。 ツーシーム・ファストボールの様に、打者の手前ギリギリで変化させることで打ち損じを狙う球種になります。 ストレートの握りから少し外側にずらして握ることで、ボールの回転の軸をほんの少しスライダー寄りにします。 ▽カットボールの投げ方・握り方
シュート系 ストレートに近い球速で利き手側に曲がる。 主に打者の内角をえぐるために使用されるが、死球の危険が伴うため緻密なコントロールが要求される。 シュート 打者の内角を狙い、バットを詰まらせる目的で使用されます。 手首をやや外側に傾け、人差し指に力を入れてリリースすることでシュート回転を生み出します。 無理に腕を外に捻ると怪我の原因になるので注意が必要です。 ▽シュートの投げ方・握り方
シンカー系 利き手側に曲がりながら沈む球種。 基本的にスリークォーターやサイドスローなどの腕の位置が低い方が投げやすいです。 シンカー 利き手側に曲がりながら沈む変化で空振りを狙える他、抜いて投げるため球速が遅く、緩急の面でも利用できる球種。 サイドスローでは投げやすく、変化も大きくなりやすいため、決め球としている投手が多いです。 中指と薬指で挟むようにして握り、人差指と中指で撫でるようにリリースします。 ▽シンカーの投げ方・握り方 スクリューボール 定義が難しい変化球ですが、シンカーよりも更に緩急を重視したチェンジアップ寄りの球種と言えるでしょうか。 人差指と中指のそれぞれ外側が縫い目にかかるように握り、中指と薬指の間から抜いてリリースします。 ▽スクリューボールの投げ方・握り方 パワーシンカー 球速のあるシンカーをパワーシンカーと呼びます。 主にメジャーリーグで使われる呼び名で、日本で言うところのシンカーよりもシュートに近いシンキング・ファストボール系がこう呼ばれます。 縫い目の狭くなったところに人差し指と中指をかけ、親指の位置をやや高くすることでバックスピンを減らす代わりにシュート回転を増やします。 ▽パワーシンカーの投げ方・握り方
フォークボール系 決め球の代表とされるほど空振りを狙うのに適した落差を生み出す球種系。 ストレートと同じ球筋から落とすことで打者を翻弄します。 フォークボール 回転を減らすことで空気抵抗を強くし、急激に減速させることで大きく落下させます。 握りは回転がかからないように(特にバックスピン)人差し指と中指でボールを挟みます。 リリースはストレートと同じように腕を振り切って投げます。 ▽フォークボールの投げ方・握り方 SFF(スプリット・フィンガー・ファストボール) フォークボールよりも球速を重視した、ファストボール系でもある球種。 落差が小さくなるので空振りは取り難くなりますが、球速が上がった分見極めが難しくなります。 握り方はフォークボールほど挟み込む必要なく、人差し指と中指を縫い目に沿って置きます。 リリースは指先を使わず、指全体で押し出すようにします。 ▽SFFの投げ方・握り方
チェンジアップ系 球速を抑えることによる緩急で打者のタイミングを外す変化球です。 基本的には緩急が主目的になりますが球速がないのでストレートと同じ軌道で投げれば落下し、リリースの際に回転をかけることで横方向への変化を加えることもあります。 チェンジアップ いかにストレートと見分けがつかないように投げられるかが重要になります。 ボールに力が伝わりにくいように深く握り、回転をかけないよう指先をボールから離します。 腕は遅く投げたいからと緩めることなく、ストレートと同じ様に最後までしっかり振ります。 ▽チェンジアップの投げ方・握り方 サークルチェンジ 親指と人差し指で円を作るように握ることからサークルチェンジと名前が付きました。 力の入りやすい人差し指をボール上部から外し、中指と薬指を中心にリリースすることで抜いて投げます。 ▽サークルチェンジの投げ方・握り方 バルカンチェンジ 横方向への変化が強めのチェンジアップで、握りもシンカーに近い握り方をします。 中指と薬指で挟む様に握り、人差指は使わずに親指に添えるようにします。 ▽バルカンチェンジの投げ方・握り方 パームボール パームとは手のひらのことで、手のひらで包む様に握ることから名前が付いた球種です。 指を使わないため、きちんとリリースできればほとんど回転させずに投げることができます。 そのリリースは指の根元でボールを抑えながら、腕を振る遠心力でボールを離します。 ▽パームボールの投げ方・握り方
ナックルボール系 回転を極限まで減らすことにより、僅かな空気抵抗や風の影響で不規則な変化をさせる球種。 投げた本人もどう変化するかわからない、まさに究極の変化球。 そのため捕球が難しく、ナックルボーラーにはナックルボールの捕球が上手い専用の捕手が用意務めることも。 ナックルボール 人差し指、中指、薬指の爪をボールに当てる形で握ります。 リリースは爪で弾く様にして行います。 また、指(爪)を立てて握り、指先で押し出すようにリリースするタイプもあります。 ▽ナックルボールの投げ方・握り方
ジャイロボール系 螺旋状の回転を与えることによって空気抵抗を減らし、直進性を追求した変化球。 純粋なジャイロ回転であれば純粋なバックスピンと同じく左右に動かず真っ直ぐ進みますが、バックスピンと違って揚力が発生しないのでジャイロボールは重力の影響を受けて落下します。 ジャイロボール ▽ジャイロボールの投げ方・握り方